【 カンナの使い方 】 |
@削り台を用意する
カンナがけを正確・安全に行なうために、前もって作業台(けずり台という)を用意しましょう。 といっても、何も本職の大工さんが使うような削り台ではなく、古机などを利用した作業台で構いません。 ポイントは「材料を動かないようにする」ことですので、それが可能ならば形式は二の次です。 あてどめ、あてクギを忘れないようにしましょう。 |
A材料の順目、逆目を見分ける
板を上手に削るには、できるだけ材料の順目にそって行なうことが第一条件となります。 木材の順目、逆目というのは、繊維の重なりぐあいをいい、順目は繊維の重なり方向で、逆目はその反対となります。
逆目を削るとカンナ刃が木肌にくい込んでスムーズに削ることができません。
順目、逆目を調べるには、まず木端を見ます。 木目が流れている方向が順目。木口を見た場合は、木表か木裏かを確かめます。 木表だったら末から元へ、木裏の場合は元から末に向かって削れば良いことになります。
ただし、ラワンなどの南洋材では木裏か木表かが判断しにくく、どうしても逆目でけずるようになってしまいます。こういう場合に備えて、常によく磨いだ刃で裏金をきかせてけずることが大切です。 |
B刃の出し方、抜き方
ゲンノウでカンナ刃の頭を軽く叩き、刃の先が下端から出る手前で一度とめます。 次に、台の下端を上に向け、下から刃頭を叩きながら刃の出ぐあいを見ます。
ふつう「髪の毛一本分の出かげん」といいますが、やや少なめに出して、試し削りしながら調節していけば失敗しません。 裏金の調節もゲンノウで叩いて行ないます。
順目の場合は、刃先に平行にして3ミリほど引き込み、逆目のときは0.5ミリ引き込むようにします。
刃の抜き方は木ヅチで台頭の上端の角をカンナ刃と平行に叩き、まず裏金、次にカンナ刃を抜いていきます。このとき指で刃を軽く押さえておきましょう。 |
Cカンナの持ち方
カンナ削りは、板の表面をなめらかにする「平面削り」と、木端けずり/木口けずり/面とり(角を落とす)が基本です。
平面けずりは両手で、木端・木口けずり、面とりは片手でカンナを持ちます。 両手で持つときは、左手でカンナ刃と台頭をしっかり押さえ、右手で台を押さえますが、指が台の下端から出ないように持ちましょう。
左足を一歩踏み出し、前傾姿勢をとって大きく動けるようにします。腕の力だけでけずるのではなく、からだ全体を使い、腰でリズムをとりながらカンナをひくようにします。こうすると均一な力で削れて、疲れをあまり感じません。 |
D平面けずり
カンナがけの中では一番難しい作業ですよね。 基本は、はじめに木材の順目をよく確認してから、カンナを木口の前へ運びます。木口に刃先をあててから、木材にカンナを押しつけるようにして引いていきます。 削りはじめた時は、台頭が下がりやすいので、右手に力を加えるようにし、反対に、削り終わりは台尻が下がりやすいので、右手の力を弱めるように行なうのがコツですよ。
※削り終わりから、また削り始めの位置へ戻すとき、カンナの台頭は板につけたままで台尻を少し上げて返すようにすると、カンナの角で材料の上の削りクズが掃除できます。 |
E逆目削り
節のある板や、順目と逆目がまじっている木材を削るときは、どうしても逆目削りをしなければなりません。
以下の点に注意して作業しましょう。 ◎必ず二枚刃カンナを使う。◎刃先をできるだけ少なめに出し、裏金は刃先すれすれまで近づける。 ◎木目を斜めに横切るようにしてけずる。 |
Fカンナの置き方
大工作業中、カンナをしばらく使わないときは、必ず横向きにして置くのが鉄則です。 刃先を下に向けて置くと、板や作業台の上にあるクギや他の金物で刃を傷めてしまうからです。 |