【 日陰の庭の対策もデザインに含める 】 |
敷地が広く、広い庭に充分に陽が当たり、各部屋の陽当たりも損なわれないような理想的な庭づくりは、なかなかできないものです。 かえって、陽当たりが悪いところにどう庭をつくればよいか悩むケースのほうがほとんどです。
極端な場合では、一日中陽が当たらないという場所もありますが、そういうところでも、風通しさえ確保されれば、日陰で育つ植物を中心にして植えることによって庭を楽しむことができるものです。
樹木の場合、常緑樹の中に、比較的「日陰に強い種類」が多くあるので、選ぶ目安となります。 |
庭づくりデザインの制約 |
庭づくりデザインでは、その前提条件の制約で、「狭い」と「陽当たりが悪い」というのは、どちらか一方だけということもありますが、多くの場合、この二つの悪条件は重なります。 つまり、「狭いから陽当たりが悪い」というわけです。
そこで、狭くて陽当たりが悪いというケースで考えてみます。その場合でも、幾つかの対処法の応用で克服することができることがわかります。 狭いスペースなので、たくさんの植物を植えられません。そこで、塀などにつる性の植物をからませてみます。つる性植物丁たとえばアイビーなどは、口陰でも充分に育ってくれます。 陽当たりが悪くても、背の高い樹木ならば、上のほうには日がよく当たり、それで充分に育ちます。そこで、背の高い樹木を1本植え、それを中心として、周囲に低木や地被植物を植えるようにします。
このように、どんな制約があっても、ほとんどの場合はそれを克服することができるものですので、あきらめずに、よい方法をいろいろ探っていくことが大切です。
試行錯誤を繰り返しながら美しい庭をつくる・・そうしたデザインやアイデアそのものが庭づくりの楽しさの一つでもあります。 |
陽あたりの悪い場所 |
ガーデニングを実践していて問題なのは、前述のごとく、必ずどこの家庭にもある日陰部分です。我が家は幸い南向きの土地なので、ちょど日陰は家の裏側ですが、時間によっては庭先であっても隣家の影になる部分もあります。そのような場所の改善や装飾もガーデニング・デザインの重要な役割の一つです。 |
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<日陰に強い庭木や草花を選ぶ>
日陰でも育つ植物ってのは意外とあります。庭だけでなく通路や建物の裏など土地が狭い場所には樹木中心でなくても砂利を敷いたり、飛び石を置いたりと色々なアレンジを施した庭にするのも良いでしょう。
和の植物には逆に日陰を好むようなものもありますし、サマースノーなどの薔薇は陽あたりが良くない場所でもスクスク育ってくれますよ。(左写真の)アジュガも日陰に強い植物で、春になると花を咲かせます。我が家ではウッドフェンス裏の日陰部分に植えていますが、花壇の縁取りなどに利用しても面白いと思います。 |
日陰〜半日陰でもよく育つ代表的な草木の例 |
【地被植物】地表を緑化できる アイビー(ウコギ科)、コケ類、リュウノヒゲ(ユリ科)など
【草花】半日陰でもよく育つ アジュガ(シソ科)、オニヤブソテツ(オシダ科)、クサソテツ(オシダ科)、ササ(イネ科)、シャガ(アヤメ科)、ハラン(ユリ科)、ペニシダ(オシタ科)、ツルニチニチソウ(キョウチクトウ科)、など
【樹木】 アオキ(アオキ科)、イチイ(イチイ科)、イヌツゲ(モチノキ科)、カクレミノ(ウコギ科)、サザンカ(ツバキ科)、ナンテン(メギ科)、マンリョウ(ヤブコウジ科)、ヤツデ(ウコギ科)、など
※最近では次のような草木も人気があります。 ヤブコウジ、フッキソウ エビネ、シュウカイドウ、ギボウシ。 |