【 病害虫の発生しない環境をつくる 】 |
よい土づくりで発生を抑える
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花壇などの露地栽培とコンテナ栽培に共通していえる効果的な病虫害対策は土づくりで、これはガーデニングの基本です。 これにより、消極的ながら病害虫を防ぐことができます。
健康な土は、団粒構造で空気の通りも水はけも良いものです。 こうした土中の環境は、病原菌や害虫が最も嫌う環境だからです。 土の改良に役立つ微生物もたくさんいて、悪さをする微生物のはびこる余地はないのです。
よい土づくりのためには、花壇などの露地栽培では、植えつけの前に堆肥をたっぷりと入れるなどしてよく耕し、根の伸びやすい土にしてやります。
苦土石灰などを入れて酸度調整をすることも大切です。 また、元肥を適切にほどこしておくことも、健康な植物を育てるためには重要です。 |
菜園などでは緑肥を入れると効果的 |
主として菜園などでの野菜づくりのときに、有効な病害虫防除のやり方があります。 それは、緑肥をすき込むという方法です。 「緑肥」というように、肥料としての効果を期待するものですが、これによって土が改良され、センチュウなどの病害虫を抑えることにもつながっていきます。
よく利用されるのが、マリーゴールドやクローバー、ムギ、トウモロコシなどです。 緑肥用として園芸店などで販売されているものを利用します。
これらの種をまいて育て、種がつく前に刈ってそのまま土の中にすき込みます。 1〜2か月で堆肥化しますから、春にまいて夏にすき込めば、9月からの秋野菜の種まきに間に合います。 特に、センチュウの防止に役立つのはマリーゴールドです。 |
人間が快適な環境にしてやる |
人間が快適だと感じる環境・・これは、植物にとっても同様に居心地よく育ってくれる環境です。 これを前提にして考えれば、どのような環境づくりをすればよいか、おのずからわかってきます。
人間と同様に植物も、ぎゅうぎゅうに混み合った場所は大嫌いです。 株と株が重なり合うようにして植えられていると、風通しが悪くなり、病気が発生しやすくなります。 陽当たりも悪くなってしまいます。 適切な間隔をおいて植えること。これが何より大切です。
また、特に庭木などでは、整枝・剪定という作業が重要です。 これも、樹形を整えるという目的のほかに、風通しをよくし陽当たりを確保するためのもの、つまり病気や害虫の予防をはかってのことだといえるのです。 |
常に清潔に保つ |
人間が体を不潔にしておくとよくないように、植物も株をいつもきれいにしておかないと、病害虫が発生しやすくなります。 特に問題となるのが、枯れた葉や茎をそのままにしておくことです。
これらは死んだところですから、そこから腐敗が始まります。 そして、病気に最初に狙われやすくなるのです。
多くの場合、下葉/株の地表近くから枯れ込んできますから、葉が黄ばんできたら早めに取り除いておきます。 もちろん、咲き終わった花も例外ではなく、すぐに花がらを取り除くことが必要です。
もう一つ大切なことは、雑草をはびこらせないという点です。 雑草は、風通しや陽当たりを悪くさせ、病原菌や害虫がつきやすくしてしまいます。 |
容器栽培ならではの対策を講じる |
容器栽培では、露地栽培に比べると、病害虫を避けるために必要な対策がたくさんあります。 陽当たりや風通しの確保のほかに必要な対策について、植えつけから生長の各段階を追いながら説明しましょう。
@容器・用土は清潔なものを植えつけに使う
容器や用土は、清潔なものを使います。 古い容器や用土には、病原菌や害虫の卵などが残っている可能性があります。 一度使った容器をふたたび利用するときには、充分に水洗いしたのち、日光消毒をしてください。
同時に、使用する園芸用具についても清潔なものを使いたいものです。 そのためには、使い終わったときに充分に水洗いしてよく乾かしてから収納するという習慣をつけるように心がけてください。
用土は、市販の園芸用の用土を新しく利用します。 古い用土を再利用する場合には、充分に再生処置をほどこしてから使います。
A種や苗は病書虫のないものを
当然のことですが、病原菌や害虫のついた種や苗をまいたり植えつけたりすると、そのものだけではなく、周囲の株にまで被害を広げてしまいます。 種や苗は、信頼できる販売店で買い求めることが大切です。 また、苗を購入するときは、葉の裏に害虫や卵が潜んでいないか注意するとともに、葉の一部が黒ずんでいるなどの病気がないか確かめる必要があります。
B地面の上に直接置かない
種をまいたり、苗を植えつけたりした鉢やプランターなどの容器は、地面の上には直接置かないようにします。 土から伝染する病気の菌が鉢穴や排水口から入り込んでしまうからです。 これを避けるために、ブロックの上にのせたり鉢棚にのせたりするなどしてください。
Cハダニとアブラムシにアルミ箔
害虫の中でもよくみられるものにハダニとアブラムシがいます。 主として葉の裏に繁殖して、汁を吸うなどの害を与えます。 このハダニとアブラムシ対策に効果的なのがアルミ箔。ハダニやアブラムシは直射日光を嫌います。 アルミ箔を鉢やプランターなどの容器に敷いておくと日光が反射して葉裏に届きますから、それを嫌ってハダニやアブラムシが寄りつかないというわけです。 |