【 ガーデニングDIY実践:レンガ積み方/敷き方の基本 】 |
積み方の手順とリズム |
難しいようで単純、単純だけど難しいのがレンガ積みの作業です。街を歩いていてもプロの職人が手がけたような花壇や外壁と、明らかに素人の人が積み上げたものとでは、誰の目にも歴然とした差が認識できます。 ただ、機械的に正確に積み上げられたものが全て美しいかといえばそうでもなく、使うレンガの素材や“手作り感”の残る積み方での作品の方が暖か味があって素晴らしく思えるものです。
基本的にレンガ積みの作業は、それだけでなくモルタルの硬さ/柔らかさの加減やコテの使い方など“経験的に慣れる”必要がありますが、小さな作品から徐々に積み方の練習すれば、それほど時間をかけることなく慣れていきますので、まずは下記の積み方の基本をしっかりご理解ください。
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<レンガの積み方-手順1>
レンガワークで庭にDIY作品を造る時、作品以上に気を配る必要があるのは実は基礎となる部分です。基礎がしっかりしていないと出来上がったときに表面に凹凸ができて、美しく仕上がらないばかりか、レンガ積みの作品が倒れたり傾いてしまう可能性もあり、見た目だけでなく子供達にも危険な庭になってしまうからです。 造る庭の場所が決まったら、作品の寸法の1.5〜2倍程度広く、10cmくらいを水平に掘っておきます。そこへ細かい石やコンクリート片を敷き、ダンパー(枕木など表面が水平で重い大きな木でも可)などで突き固めておくことが必要です。 |
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<レンガの積み方-手順2>
突き詰めた土の上にモルタルを敷いて固めた後は、もともとの基礎部分が水平になるように水平器で測って平らにしておきます。 そして出来上がった基礎の上にレンガをモルタルで固定しながら置いていきます。 ※最初のモルタル面が水平ならば、置かれたレンガもほぼ水平になっているはずです。
積み方として慣れた方は最初の段階から水糸を引いて、水平を取りつつレンガを積んでいかれます。初心者ではなかなかしない面倒に思える作業ですが、特に大きな作品や幅の広い=長さのある作品(花壇など)では、それぞれ一番端のレンガの高さが違ってくることもありますので、面倒くさがらずに水糸で水平を測るようにした方が良いでしょう。 逆にそれほど幅のない作品では隣同士のレンガの高さを水平器などで合わせてやる程度でも大丈夫です。 |
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<レンガの積み方-手順3>
勿論、造る作品によって基礎の構造は変りますが、一般的な構造は左図のようになります。 よく突き固めた地面の上に5cmくらいにモルタルを敷きます。そして、このモルタルが乾いてしまう前に1段目(一番下)のレンガを固定すれば、おのずとしかり安定したDIY作品が出来上がることになります。 |
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<レンガの積み方-手順4>
一般的に横や縦長だけの作品は倒れやすくなりますので、(庭の構造や広さにもよりますが)上から見て円弧またはL字型の作品にすることが重要です。単なる横長の壁のようにレンガを積むことなく、そのようなDIY作品であっても基礎またはデザインとして下部分を極力広範囲に確保するようにしましょう。
この手のホームページやDIY教本に記載されていることですが、レンガを積む前の注意としては積む前にレンガを濡らしておくことがホントに重要です。水に浸したレンガはモルタルとよく馴染み、接着しやすくなります。理想としては作業をする半日前くらいから浸しておくのが良いようです。 |
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<レンガの積み方-手順5>
作業が進みレンガが高くなってくると後でまとめて水平を調整するなんてことはできなくなりますので、レンガの水平は一個一個積んでいく度に、丁寧に/素早く水平器を使って測ります。 水平が狂っているようであれば、ゴムハンマーやコテの取っ手部分などを使い、コンコンとレンガの水平を微調整していくことが必要です。こした積み方を繰り返し行うことで、作品の完成度が大きく違ってくるので日数をかけてでも段々に積んでいきましょう。 |
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<レンガの積み方-手順6>
初心者のうちは1段積んだくらいで・・慣れてくれば2〜3段積んだあたりで、目地ゴテを使ってレンガ間のモルタルを綺麗に整形していきます。
目地の整形が終わったタイミングで(まだ、モルタルが乾ききっていない状態の時に)、水で濡らしたスポンジを硬く絞ってレンガの表面に付いた汚れ(モルタル)を丁寧に拭き取らなければなりません。これをしないと乾燥した後でレンガの表面が白っぽく汚れてしまい、なかなか落とせない状態になりますので注意してください。 ・・・私も最初に作った時に、この作業のタイミングやスポンジの濡れ具合がわからず、結局はレンガを汚していましたが、“かなりキツク絞った”状態のスポンジで、“丁寧に何度も拭く”ように心掛ければ大丈夫です。 |
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レンガの積み方ではなく庭やアプローチへの敷き方のパターンもいくつか紹介しておきましょう。レンガを敷き終わったときの見栄えや、他のDIY作品とのアクセントの違いなど、敷き方一つでも庭に変化が付けられます。
<主なレンガ敷きパターン> (1)バスケット (2)ランニングボンド (3)ハーフバスケット (4)ヘリンボーン
庭のコーナーかアプローチなのか・・等の場所によって使い分けると良いでしょう。
レンガ敷きの場合には実はあまり“勾配”は気にしなくて良いのです。勿論、下がコンクリートなど透水性が無い場合は別として、レンガそのものには透水性があり、雨が降っても目地がレンガを通って地中へ吸い込まれるため、立水栓などよほどの洗い場でもない限り、あえて傾斜は必要ありません。 |